運動能力向上につながるコアな動きを身につけよう

指導者の方へ

いまこそ、子供たちの「動き」に着目し、そのバリエーションを豊かに!

コロナ禍以降、子供たちの周囲からあらゆるものが消えましたが、なかでも最も深刻な影響を与えているものは、遊びに根ざした「動き」の機会の減少であるといえます。長期のステイホームや、密を避ける体育授業等、子供期に必要とされる質・量ともに十分な「動き」の蓄積ができない状況が続いています。

さらに一方で、ジュニアスポーツの指導現場では、スポーツの習い事の専門化も進んでいます。できるだけ早い時期に専門的スポーツスキルを習得して、成果を出すことに重きを置いた指導をしているケースも耳にします。しかし、ジュニア期は運動学習の最感受期ともいわれ、あらゆる「動き」を即座に習得できる時期であり、スポーツの専門的スキルの習得よりも児童期に育成しておくべき「動き」の習得がなによりも優先されるべき課題です。

こうしたなかにおいて、子供の発育発達に関する知見をもとに、「動き」の多様性に視点を当てて、科学的に効果のある運動のバリエーションを子供達に体験させることは、身体や運動機能の健全な発育発達、さらには将来の高いスポーツパフォーマンスの育成のみならず、近年では認知機能やメンタルヘルスにも影響を与えるといわれています。

こうした「動き」の習得に関して、「つなぐ?と」で紹介されている多様な動きづくりの運動をはじめ、あらゆる基本的な「動き」づくりに役立つ動画は、幅広い対象の子供たちを多面的に発育発達させるための運動指導内容の策定に最適なコンテンツです。ぜひ指導の際に積極的にご活用をご検討ください。

立命館大学スポーツ健康科学部 准教授 上田憲嗣

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